「地域生活定着支援センター」って何?
刑務所など矯正施設からは、年間約3万人の人たちが出所します。その中には安定して地域生活を送ることが困難な状況に陥ってしまう人たちも少なくありません。この課題に対して、矯正施設や少年院などの出所に際し、支援が必要との認識のもと、福祉と司法がタッグを組んで「地域生活定着支援事業」を開始しています。
この事業では、全国都道府県に「地域生活定着支援センター」の設置が進められ、特別調整などの形で支援を実施しています。高齢、障がい、帰る場所がない、地域生活が困難など、福祉の援助が必要な人たちを支援します。大阪府では、2010年7月から事業を実施し、2013年4月から一般社団法人よりそいネットおおさかが受託しています。
地域生活定着支援事業の流れ
コーディネート
矯正施設(刑務所、少年刑務所、拘置所及び少年院)で、特別調整対象者との面接を行い、ニーズや課題を見極め、出所前から具体的な支援を調整していきます。
フォローアップ
特別調整対象者が、矯正施設(刑務所、少年刑務所、拘置所及び少年院)を退所し、支援につながった後も、地域生活の継続を目指し、本人を支える支援者のフォローアップを行います。
相談支援
特別調整対象者以外でも、矯正施設(刑務所、少年刑務所、拘置所及び少年院)を退所した後に支援が必要になった人や関係者の相談を受け、必要な支援を調整していきます。
特別調整対象者とは
地域生活定着支援センターにおける特別調整対象者は、以下の状況が当てはまる人が対象となります。
- 高齢、又は身体障がい、知的障がい、精神障がいがあると認められる人
- 矯正施設(刑務所、少年刑務所、拘置所及び少年院)を退所後、住居など帰る場所がなく、福祉的な支援を受けることが必要と認められる人
- 自ら支援を希望している人
ネットワークづくり
よりそい事例検討会
内容:触法障がい者や高齢者の支援についての事例検討会
開催:2カ月に1回程度
時間:平日の18:30~20:30
場所:立命館大学 大阪梅田キャンパス5階(大阪富国生命ビル)
参加者:20名程度
アドバイザー:立命館大学 応用人間科学研究科 中村正教授
対象者:興味がある方、触法障がい者や高齢者の支援にお困りの方など
よりそい勉強会(高齢者支援者編)
内容:高齢者の犯罪について考えるネットワーク
開催:2カ月に1回程度
時間:平日の10:00~11:30
場所:大阪保護観察所会議室
対象者:司法関係者、高齢者支援福祉・医療関係者
地域定着支援を考える研修会
内容:触法障がい者等「支援機関・団体交流会」
開催:1年に1回
共催:大阪府立砂川厚生福祉センター、大阪府地域生活定着支援センター
対象者:触法障がい者等の入所や利用協力をされている事業所・法人など
当事者座談会
目的:当事者の力を引き出す
開催:目的に応じて不定期開催
共催:シャバの空気をおいしくする会、よりそいネットおおさか(大阪府地域生活定着支援センター)
実績:出所者のためのガイドブック作成(シャバの空気をおいしくする会)
刑務所ぐらし、シャバぐらし
目的:広く一般の方に刑務所の様子を知っていただく
開催:不定期
共催:シャバの空気をおいしくする会、よりそいネットおおさか(大阪府地域生活定着支援センター)
実績:4回開催