作業療法士との連携の必要性について

 地域生活定着支援センターの福祉職はアセスメントし、支援プランを作り、必要な支援をコーディネートする「必要な支援者を集めてくる」という大きな枠を作ることは得意ですが、本人の課題解決のためのプログラム実施等といった具体的な治療を実施することを得意としていないことに気づきました。そのため、その具体的治療を専門職である作業療法士、心理師、医師等に担ってもらう必要性から連携してプログラム等を実施しています。

 作業療法士は、初期評価し、治療計画を作り、短期目標を設定して、その経過で介入し、再評価をしています。その再評価の中で、本人が目標に到達できない等の問題があれば、再目標設定を行い、再治療計画を作りということを繰り返しています。目標設定と定期的な見直しを本人と共に行い、何をすればよいのかを共に考え、本人に気付いてもらい、行動することで、本人の能力を高めて目標を達成できるように関わること役割としています。

そのようなアプローチをできるのが作業療法士の強みであり、生活全般をリハビリすることを役割としており、本人の心理面や精神面を重要視して関わっています。

 定着支援センターが支援する人たちの中には、社会での生活を継続することが難しく、再犯を繰り返し、人生の大半を刑務所で過ごす人も少なくありません。言い換えれば、社会で安定した生活を継続する術を身につけていれば、刑務所に行くことを防ぐことができる人が多いということです。そのため、私たちは、日々の業務を通し、生活全般の訓練が必要な対象者には作業療法士の関わりが必要だと考えています。

 そのような経緯で、作業療法士との連携を試み、Go-Go-OT-NETとの連携をスタートさせました。

大阪府地域生活定着支援センターとGo-Go-OT-NETとの連携について

 定着支援センターが「矯正施設入所中から作業療法士の関わりが必要」とアセスメントした人について、矯正施設退所後からGo-Go-OT-NETの支援が受けられるように調整し、プログラム導入を行っています。また、矯正施設退所後、地域生活を送る中で本人の問題行動が多く、支援がうまくいかない場合についても、Go-Go-OT-NETの支援が受けられるように調整、導入を行っています。

 本人とのオンラインプログラム実施だけでなく、本人を支援する支援者への支援(支援する上での困りごとや支援方法等について)もGo-Go-OT-NETでは解消していきます。

Go-Go-OT-NETとは?

 刑務所や少年院等を退所した方、保護観察対象の方等を対象に、社会で自分らしく生活ができるよう、作業療法士によりオンラインでの作業療法を行っている作業療法士のネットワークチームです。

 詳細につきましては、下記資料をご確認ください。

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